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生=アート
中学・高校と私が好きだった小林秀雄の文章を載せておきます。


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人は様々な可能性を抱いてこの世に生まれて来る。
彼は科学者にもなれたろう、軍人にもなれたろう、然し彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚く可(べ)き事実である。
この事実を換言すれば、人は種々な真実を発見する事は出来るが、発見した真実をすべて所有する事は出来ない、或る人の大脳皮質には種々の真実が観念として棲息するであろうが、彼の全身を血球と共に循(めぐ)る真実は唯一つあるのみだという事である。
雲が雨を作り雨が雲を作る様に、環境は人を作り人は環境を作る、かく言わば弁証法的に統一された真実に、世の所謂宿命の真の意味があるとすれば、血球と共に循る一真実とはその人の宿命の異名である。或る人の真の性格といい、芸術家の独創性といい又異なったものを指すのではないのである。
この人間存在の厳然たる真実は、あらゆる最上芸術家は身を以って製作するという単純な強力な一理由によって、彼の作品に移入され、彼の作品の性格を拵(こしら)えている。

(小林秀雄『様々なる意匠』より)

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